捨てられ仮面令嬢の純真
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王都に暮らす貴族たちが仰天したのはまだ朝もやが消えぬ頃。突然の報せだった。
「――陛下が、みまかられただと!?」
ヴァリエ侯爵は思わず叫んだ。
国王は四十五歳、特に病ということもなく壮健だと思われていた。夜中に心臓の発作でというのは、よくあるといえばある話。そう言えば先代の死因も心臓だった。
「しかし、となると――」
このマルロワ王国は、王太子のリュシアンが即位し新たな時代を迎えることになる。侯爵の娘セレスは王太子妃を飛び越して王妃に立つのだった。
父王の喪に服す期間は婚儀を延期するとして――ヴァリエ侯爵は今後の流れを考え、ほくそ笑む。
国王の義父となる日はすぐそこだ。