捨てられ仮面令嬢の純真
✻ ✻ ✻
セレスとレオは新婚の思い出深い館を引き払った。王宮に移り、現在の政の状態を確認しつつ戴冠式をどうするか検討中なのだ。
形式上、何もしないわけにはいかない。だがリュシアンたちの式典をしたばかりでまた、というのも無駄な話だ。
儀礼としての式は簡素に行い、国民への布告と近隣諸国に通達の特使を送るだけで済ませる方向で検討が進められている。
もうリュシアンの退位は公にされていた。それはあっけないほど簡単に各所から受け入れられ、なんの抵抗もなかった。
私室に軟禁状態のリュシアン夫妻の救出を試みる側近などもあらわれなかった。侍女を怒鳴りつけ、気軽に解雇するような主人だったので当然だろう。
粛々と離れの塔に移され、幽閉されたリュシアンとミレイユ。政治的な力も知識もまったくなかったために対抗策を講じることもできず、退位宣言書に署名。だが恭順を示したことにより処刑はまぬがれている。
一連の心労がたたったのかミレイユは早く産気づいてしまった。急変に王宮の医師が駆けつけたが、子は助からなかったそうだ。
伯母として悲しんだセレスだったが、見舞いを伝えることはしない。ミレイユは姉が自分を陥れたのだと信じ半狂乱だと聞いたから。心からのいたわりも、あざけりの言葉と感じて荒れ狂うに違いなかった。
「――思い込んだ者に何を言っても仕方ない」
なぐさめてくれるレオとともに、セレスは民に愛される王妃となるべく努力するしかなかった。
セレスとレオは新婚の思い出深い館を引き払った。王宮に移り、現在の政の状態を確認しつつ戴冠式をどうするか検討中なのだ。
形式上、何もしないわけにはいかない。だがリュシアンたちの式典をしたばかりでまた、というのも無駄な話だ。
儀礼としての式は簡素に行い、国民への布告と近隣諸国に通達の特使を送るだけで済ませる方向で検討が進められている。
もうリュシアンの退位は公にされていた。それはあっけないほど簡単に各所から受け入れられ、なんの抵抗もなかった。
私室に軟禁状態のリュシアン夫妻の救出を試みる側近などもあらわれなかった。侍女を怒鳴りつけ、気軽に解雇するような主人だったので当然だろう。
粛々と離れの塔に移され、幽閉されたリュシアンとミレイユ。政治的な力も知識もまったくなかったために対抗策を講じることもできず、退位宣言書に署名。だが恭順を示したことにより処刑はまぬがれている。
一連の心労がたたったのかミレイユは早く産気づいてしまった。急変に王宮の医師が駆けつけたが、子は助からなかったそうだ。
伯母として悲しんだセレスだったが、見舞いを伝えることはしない。ミレイユは姉が自分を陥れたのだと信じ半狂乱だと聞いたから。心からのいたわりも、あざけりの言葉と感じて荒れ狂うに違いなかった。
「――思い込んだ者に何を言っても仕方ない」
なぐさめてくれるレオとともに、セレスは民に愛される王妃となるべく努力するしかなかった。