私を拾ってくれますか?



下駄箱でも廊下でも友人に会い、爽やかな笑顔で挨拶を交わしていたけど、頭の中は緊張と不安で埋め尽くされている。奈垣くんはいつも通り接してくれるだろうか。そして、昨日の行動の真意を聞きたい。


機会があればこっそり聞いてみたいと願いながら教室に入ると、1人の女の子がこちらに走ってきて飛びついてきた。





「星ー!部活辞めたいー」


「どうしたどうした」


「来年の受験のことも考えたいし、勉強も見直したいと思ったから、顧問に練習メニューを減らして欲しいってお願いしたら、逆に増やしてくんの。もう部活辞めてやろうかな!」




私の友人、和倉 紗奈。天真爛漫で誰とでも仲が良い、ビジュアルも性格も完璧な私の理解者。テニス部の顧問は、学校で最も厳しいと言われている男の教師で、紗奈はその顧問に泣かされているらしい。



「まぁまぁ、ムキにならずにちゃんと向き合って。事細かく話せば、分かってくれるかもよ」


「そうかな…。他のみんなはどう思ってるのか知らないんだけどさ」


「じゃあみんなで話し合って、そこでまとまった意見を顧問にぶつけてみるのは、どう?」


「うん、そうする…。星、ありがと」


「いいえ」



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