私を拾ってくれますか?
「まぁ、こうなったのは俺のせいか。何か気まずいのもしんどいし、星は嫌かもしれないけど、いつも通り話しかけるから」
「私も、何かごめん。意地張ってたのかもね。家が隣でずっと気まずいのも、私も嫌かも」
「なら、和解だな」
「旭が断ってなかったら、和解も何もなかったけどね」
「元はと言えば、星が俺に告らなかったら和解も何もないけどな」
「ねぇそれ、禁句だからね?」
私の最後の言葉に、2人して大笑いした。何のきっかけでこうなったのか、展開が早すぎて追いつけないけど、私も旭もきっと和解を望んでいたんだと思う。
ようやく旭と笑顔で会話できるようになり、冗談を言ってつっこんで笑う、自然な幼馴染の戯れに戻った。旭が笑っていると、私も嬉しい。
つられてスキップなんかしてみて、今日は1日良い日になると良いなと呑気に考えて、下駄箱についたので上靴に履き替えていると、朝練終わりの髪の毛を濡らした奈垣くんが廊下を通った。
「星、お先。またな」
「うん」
旭に挨拶をされて、笑顔で答える。その笑顔のまま奈垣くんの方を見ると、足を止めて目の奥が笑っていない無表情で私をじっと見つめていた。