私を拾ってくれますか?



お互いに好きだって分かった日から、特別な関係で大事な人になった。言葉にはしなくても独占欲はあって、ちゃんと大好きだったんだ。向こうも私も、逃げないで伝えれば…。もう遅いけど。


また私は逃げた。これで何度目?紗奈にも旭にも言われたのに。握りしめたままの手紙を持って、意味もなく校舎を歩き回る。次教室に入る時は、どうか賑やかでありますようにと願って。




「お、星じゃん。何してんの?」


「紗奈…。歩き回って疲れた」




私の声色と今まで話していた状況を読んで察してくれたのか、紗奈は半分呆れたように乾いた笑いを見せて、私を抱きしめてくれた。



途端に、喉の奥で抑えていたものが溢れてきて、周りの生徒の目など気にせずに泣きじゃくった。私、泣きたかったんだ。2人を見て傷ついていたことを、紗奈に慰められて知った。



紗奈の手がやたら温かくて、背中を上下したり時々優しく叩いてくれたり、今のうちだと言わんばかりに泣かせてくれる。




旭に振られたり、奈垣くんに見放されたり、私は恋愛に向いていないのかな。



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