私を拾ってくれますか?

奈垣くん、後悔する。





朝早く教室に居て待っていれば、飯田に会えるかもしれない。そしたら、俺が幼馴染に近づかないように言って、俺の気持ちを伝えて…。



そんなシミュレーションをしていたはずが、教室に入ってきたのはマネージャーだった。




「怪我、痛そう」


「別に痛くねぇよ。こんなんいつもだし」




昨日のスパーリングで、むしゃくしゃをぶつけすぎて、拳部分が綺麗に擦りむけた。その傷なんていつものことなのに、やたら引っ付いてきて看病すると言ってきた。



もしかして、もうすぐ飯田が来るかもしれない。こんなところ、見られたくないから避けようか。そう思ったけど、俺も飯田にモヤモヤさせられたんだから、俺だって飯田をモヤモヤさせて良い。


そんな子どもみたいな考えが浮かんで、必要以上にマネージャーを拒否しなかった。



下駄箱で、ただ挨拶をしただけかもしれない。それでも飯田の、幼馴染にしか見せない表情を見てしまったように感じて、きっと家から一緒に登校してきたんだと分かった。あんなに幼馴染を嫌がっていたのに。


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