私を拾ってくれますか?




降ってきた粉も吸いかけて咽せそうになるし、叩いた飯田までも咽せそうになっている。そんなお互いの間抜けな姿を見合って、1週間ぶりに気負わずに笑えた。


そうだ、これを待っていたんだ。飯田との何でもない会話と笑い声と、この空気感。これが心地良いんだ。




黒板消しを持ったまま笑っていた飯田が、ゆっくりと真顔になっていく。




「私は奈垣くんに話したいことがあるけど、奈垣くんは私に話したいこと、ある?」


「…もちろん、ある。いっぱいあるんじゃない。飯田が他のやつに取られたくない、とか」





もうこんな静かな嫌がらせを起こしたくなくて、さらっと告白じみたことを言ってみると、真顔だった飯田の目にじんわりと涙が溜まり、それを大雑把に拭うと口角を上げた。




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