私を拾ってくれますか?




マネージャーの返事も聞かず、紗奈の手を引っ張ってマネージャーの横を早足で通り過ぎた。紗奈は何も言わずに付いてきてくれて、下駄箱まで来てようやく、いつもの私に戻った。




「怖かった…。心臓出るかと思った」


「星らしくはなかったけど、正論だったね。私まで気持ち良かった」


「えへへ」




一呼吸おいて、下靴に履き替えようと手をかけると、紗奈が真剣な表情で私の手に重ねてきた。




「星、ごめん。これ以上星に傷ついてほしくなくて、奈垣くんに近寄らせないようにしてた。でも友達として最悪のことしてるよね、私」


「そんなこと…、ないよ。紗奈が私のこと守ってくれようとしてるの、嬉しいもん」


「でも星は、奈垣くんのところに行きたいんじゃない?向き合いたいんでしょ?」


「…」


「星は人から守られたい人じゃないじゃん」


「…やっぱり紗奈は、私のこと私以上に知ってるよね」




〝当たり前じゃん、親友だもん。〟



紗奈の威張り気味の言葉に、思わず吹いてしまう。それくらい、その場には合わない雰囲気のテンションで、紗奈らしいなと笑える。



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