私を拾ってくれますか?
「飯田が好きだからだよ」
グラウンドでサッカー部と野球部がウォーミングアップをしている声が聞こえなくなって、体が浮いたように感じた。ど直球に面と向かって言われると、目を合わせられない。
「……あの、」
〝ありがとう〟とか〝私も好きです〟とか、すぐに言えると雰囲気も出るんだろうけど、突然の告白に動揺して、全部が喉につっかえた。
目は合わせられないし、言葉も出ないし、奈垣くんの眩しい告白を断っているみたいで、余計に動揺する。そんな私を見た奈垣くんまでも、同じように捉えたらしく、〝…えっ?〟と戸惑っている。
「俺、めっちゃ困らせてる?もしかして、全部俺の勘違い?」
「勘違いじゃない!びっくりしただけだから…」
勘違いはしてほしくなくて、思わず声を荒げて否定すると、目を大きく開けて後退り、繋がれていた手が離れた。腕に血が通い、少しずつ戻っていく腕の感覚。
「同じクラスになってから、まだ話したことないやつもいっぱいいるし、別に今後も話さなくて良いかなって思うやつばっかりなんだけどさ」
驚いた表情から柔らかい微笑みに変わると、さらっと酷い話をし出す奈垣くん。頷くと、話は続く。