私を拾ってくれますか?
「今話して分かったけど、お互いに勘違いして勝手に距離作ってたんだね」
「そうだな。思ったことはちゃんと言わないとな」
「うん。奈垣くん、ありがとうね。奈垣くんに話しかけてもらえて、良かった」
頭の中で思ってるだけじゃ、相手には伝わらない。察してほしいって思うこともあるけど、それはお互いに分かり合えてから。
奈垣くんがニコッと笑って、私の頭に手を置いて軽くバウンドさせる。ギュッと胸が高鳴って、私も奈垣くんの頭に手を置いた。まだ髪の毛についていたチョークの粉をはらうと、今度は制服の肩にも粉がついてしまって、それもはらう。奈垣くんはそれが終わるのをじっと待って、私に話しかけた。
「1つ、約束したいんだけど」
「約束?聞いてから約束するか決める」
「いや、そこは聞かずに約束しろよ」
冗談を笑いながら、はらった粉が私の手についていたのを、奈垣くんがまたはらってくれる。
「約束って?」
「幼馴染とは話さないって約束して」
「旭と?」
「好きな子が別の男と話してたら、俺以外のやつに笑いかけてほしくないとか思うし」
「えー…、それは無理かな。家が隣だし」
「じゃあ俺が話しかけないように言っとく」