私を拾ってくれますか?
その日の放課後、下駄箱で下靴に履き替えながら、明日から旭に会わないように、策を練らないといけないことに気づき、気分を下げていた。
学校ではクラスは違えど同じ空間に居るんだから、どこかで必ず会ってしまう。目を逸らすのもわざとらしいし、今までと変わらず接するのも、私が気まずい。近所の知り合いの男の子って思ったら、どうにかなる?
「どうにもならないよな…、こんなの」
考えを巡らせすぎて、下駄箱に置いた上靴から手が離れない。自分でも驚くほどあからさまに首を落とすと、一番会いたくない人の声が聞こえた。
「星…」
名前を呼ばれても振り向きたくなくて走って逃げ出すも、校門を出る前で手を掴まれた。息を切らした旭の手は冷たくて、告白する前の私の手と同じだった。ただ寒いからだけじゃない、緊張して手汗が滲んで、その気化熱で冷えた手。
私を振った旭が何で?今さら緊張されても、私の恋は終わったんだから。