私を拾ってくれますか?
「俺の顔見たくない?」
「見たくないっていうか、気まずいじゃん」
「ごめん…」
「謝られると、余計辛いからやめて」
仕方なく、その日は旭と一緒に帰ることにした。年齢と同じくらい一緒に居て、隣に居ることが当たり前だったあの日に戻りたい。でも旭の気持ちを知ってしまった今、私が旭の隣に居ることを選ぶとも思わない。
旭の、怠そうにアスファルトを靴裏で削る歩き方も、肩からかけたスポーツバックがお尻で跳ねて、年中氷が入った水筒が音を出すのも、何も気にならなかった今までが、会話がない有り難い穴埋めに変わった。
「昨日星に好きって言われて…、嬉しかった。それは本当だから。でも、そう思って見てなかった。違うのに、嘘ついて付き合うなんて、星に失礼でしょ」
旭の言うことは間違ってないけど、近所だしどこかですぐに会ってしまうと、気まずさが勝ってしまうから。それならこういう状況にならないように、私が察して告白しなければ良かっただけの話なんだけど。
「うん…。昨日はごめん、急に変なこと言って。今日の朝は会わないように早く出たの。これからもそうするから」
「あのさ。一緒に帰ってほしいとは言わないけど、避けないでほしい。幼稚園からずっと一緒だったじゃん」