私を拾ってくれますか?




私の半歩後ろを歩く旭の声が、少しだけ強くなって、足を止めた。私が旭を避けることで、そういう風に感じていたのは分かっていた。旭は私と変わらない関係を望んでいるんだろうけど、私はこの関係を変えたかった。


旭も同じように足を止めて、私を後ろから見つめている。旭は私に、どういう答えを求めているんだろう。一瞬だけ、昔みたいに笑って誤魔化せたら楽だと思った。でも昔には縋りたくない。




「…旭のことは大事な友達だけど、やっぱり好きだから。友達のままでとか、また仲良くしようとか言われても、無理。私の中では旭のこと、友達じゃなくて好きな人だから」




ここで振り返ったら、また旭を好きな気持ちが溢れてくる。吐き捨てるようにきっぱりと言い切り、旭の返事がないことで、やはり私と気持ちが違ったと確信して、再び足を進めた。旭はその場に立ち尽くしたまま、遠のいていく私をじっと見ていた。




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