からかわないでよ、千景くん。



次の授業は、先生に無理を言って一時間ベッドで休ませてもらった。

目を瞑って、何も考えないようにしていた。


(なんかもう、考えないようにするのが一番なのかも)


そう思ってきた。



最後の授業は出ないといけないから、教室へ向かう。

扉を開けると、すぐ目に入ったのは—— 千景くん。



「大丈夫?」



心配そうな声。


(…考えないようにしようって、決めたばっかりなのに)



「うん、大丈夫だよ」



笑って、自分の席に座る。

その笑顔が、ちゃんとできていたかは分からない。

でも、千景くんはそれ以上何も言わなかった。


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