からかわないでよ、千景くん。



最初は、千景くんの隣の席になって
からかわれないようにしなきゃって思ってた。

でも最近は、千景くんに意地悪されるのが嫌じゃなくて。

むしろ、ちょっと嬉しくて。


それなのに——

唇を、ぎゅっとかみしめる。泣かないように。



「なずな、体調大丈夫?」



志緒ちゃんが、心配そうに声をかけてくれた。



「うん、ごめんね。寝たらすっきりしたみたい」



そう言うと、



「ほんとに?」



うっ。 志緒ちゃんには、何でもお見通しなんだな〜。

でも、笑って言った。



「大丈夫だよ。ありがとう」



志緒ちゃんは、少しだけ目を細めて、
「それならいいけど〜」て言って、自分の席に戻っていった。


< 101 / 277 >

この作品をシェア

pagetop