からかわないでよ、千景くん。
最初は、千景くんの隣の席になって
からかわれないようにしなきゃって思ってた。
でも最近は、千景くんに意地悪されるのが嫌じゃなくて。
むしろ、ちょっと嬉しくて。
それなのに——
唇を、ぎゅっとかみしめる。泣かないように。
「なずな、体調大丈夫?」
志緒ちゃんが、心配そうに声をかけてくれた。
「うん、ごめんね。寝たらすっきりしたみたい」
そう言うと、
「ほんとに?」
うっ。 志緒ちゃんには、何でもお見通しなんだな〜。
でも、笑って言った。
「大丈夫だよ。ありがとう」
志緒ちゃんは、少しだけ目を細めて、
「それならいいけど〜」て言って、自分の席に戻っていった。