からかわないでよ、千景くん。
チラッと横目で、千景くんを見る。
割と普通。
スマホを触っている。
(…なんで、こんなに千景くんが気になるんだろう)
千景くんにとっての私は、ただのクラスメイトなんだろう。
特別でもない。
特別になりたいって思ってるのは、私だけ。
じゃあ—— 私にとっての千景くんは、なんなの?
意地悪されるのが嫌じゃなくて。隣にいるだけで嬉しくて。
前髪を撫でられたとき、心臓が跳ねた。
だから私は、ただ静かに千景くんの横顔を見つめた。
この気持ちに、名前をつけるのが怖かった。