からかわないでよ、千景くん。
体育祭前日。
午後の授業は、すべて準備にあてられた。
あの日以来、千景くんと話していない。
私自身の問題なんだけど…なんだか、気まずくて。
「はあー…」
大きなため息をつきながら、カラーコーンを運ぶ。
「なずな、重くない?」
隣の志緒ちゃんが、私の倍のカラーコーンを持ってそう言った。
(わあ…かっこよすぎる、志緒ちゃん…)
その姿に、ちょっとだけ元気をもらう。
でも、次の言葉が胸に刺さった。
「なずな最近元気ないね」
ぽつりと、静かに。