からかわないでよ、千景くん。




「そう?私、志緒ちゃんといたら楽しいし元気になるよ~!」



笑顔を見せて、そう言った。

ほんとだよ。志緒ちゃんといるだけで、気持ちが少し軽くなる。



「最近、千景の話しないね」



その言葉に、びっくりして—— 持っていたカラーコーンを落としてしまった。


(…名前に、反応しちゃった)



「やっぱり、千景となにかあった?」



志緒ちゃんの声が、鋭く胸に刺さる。

考えなければいい。そう思ってた。

でも、“千景”の名前がどこかで飛び交うたびに—— 視線が、そっちへ向いてしまう。

隣の席を見ないようにしてるのに。気になって、盗み見してしまう。

千景くんは、いつも通りに見える。

それが、また苦しくて。 私だけが、変わってしまったみたいで。



< 104 / 277 >

この作品をシェア

pagetop