からかわないでよ、千景くん。
「そう?私、志緒ちゃんといたら楽しいし元気になるよ~!」
笑顔を見せて、そう言った。
ほんとだよ。志緒ちゃんといるだけで、気持ちが少し軽くなる。
「最近、千景の話しないね」
その言葉に、びっくりして—— 持っていたカラーコーンを落としてしまった。
(…名前に、反応しちゃった)
「やっぱり、千景となにかあった?」
志緒ちゃんの声が、鋭く胸に刺さる。
考えなければいい。そう思ってた。
でも、“千景”の名前がどこかで飛び交うたびに—— 視線が、そっちへ向いてしまう。
隣の席を見ないようにしてるのに。気になって、盗み見してしまう。
千景くんは、いつも通りに見える。
それが、また苦しくて。 私だけが、変わってしまったみたいで。