からかわないでよ、千景くん。
やっと紙の場所にたどり着いた。
息が切れてる。心臓がバクバクしてる。
手が震えながら、そっと紙を開く。
「……え」
一瞬、言葉を失った。
でも、いいの。
何が書いてあっても、私は千景くんを連れてくって決めたんだから!
紙を握りしめて、クラスのテントへ走る。
「なに引いた!?」
「ちょっ…!」
着いた瞬間、クラスメイトの男の子に紙を奪われた。
「“クラスの人気者”?」
「ちっ、千景くっ…」
「笹村だろ、これ!笹村ー!!!」
えっ、ちょ、ちょっと待って!? 千景くんだって人気あるし、間違ってないじゃん!
でも、周りは完全に笹村くんモード。
「ま、まって…!」
声が震える。私の気持ち、誰にも届いてないみたいで、苦しい。
笹村くんも、みんなに言われるがままテントの奥からひょっこり出てくる。
違うの。
私が呼びたいのは、千景くんなの。
でも、言えない。この空気の中で、私の声は小さすぎる。