からかわないでよ、千景くん。
この先を聞くの、怖いかも。
でも、志緒ちゃんは真剣な顔で、私の手を握ったまま話し続ける。
「それで、気付いたんだけど…千景って、授業中も休み時間も、いっつもなずなのこと見てるんだよ」
「…え?」
思わず、声が漏れる。
「最初は、意地悪してくるって言うから心配してたけど…すごい優しい顔で、いつもなずなのこと見てるからさ」
ドクン! 心臓が跳ねた。
千景くんが…私を?
「で、でもそれは…みんなに対してそうなんじゃ?」
千景くん、普通に優しいし。
1年のときも、あの人懐っこい笑顔で、みんなに笑いかけてた。
「確かに、なずなの言うことは間違ってないけど…でも、なずなのことを見る顔は他の人と違うと思ったんだけどな」
志緒ちゃんの声が、少しだけ熱を帯びる。