からかわないでよ、千景くん。
「……甘い顔すんのよ、なずなだけに。好きで仕方ないって顔」
ほんとに? そんな顔、私に向けてた?
志緒ちゃんの言うことが本当なら…余計にわからない。
なんで、あんなこと言ったの。 「笹村くんとお似合い」なんて。
なんで、いつもからかってくるの…。
「だから、千景が好きなのはなずなのはずなの。絶対そうなの!」
志緒ちゃんは、私の手をギュッと握りながら、祈るように言った。
その言葉が、胸の奥にじんわり染みていく。
千景くん。
…千景くん。
私の心は、また千景くんの名前でいっぱいになる。
痛いくらい、好きなんだ。