からかわないでよ、千景くん。



「へぇ。なずなのくせに、俺に“可愛い”とか言うんだ」



千景くんが、意地悪そうに笑う。
その目が、まっすぐ私を見てる。



「だめ……?」



声が震えてしまう。



「だめ。可愛いのは、なずなだけで十分でしょ」



そう言って、千景くんは私の手に、ちゅ…とキスを落とした。


指先が熱くなる。


(なに……!?なんで……!?)


頭の中がぐるぐるして、思わず叫んでしまう。



「ち、千景くんはなんで私にこんなことするの!?」


「こんなことって?」



千景くんの唇が、手から腕へ、そして耳元へ。

ひとつ、ひとつ。
まるで壊れ物を扱うみたいに、優しくキスを落としていく。

そのたびに、心が揺れて、息が止まりそうになる。


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