からかわないでよ、千景くん。
「ちゃんと言って」
千景くんの声が、耳元で低く響く。
その直後、耳を軽く噛まれて――
「んっ…」
甘い声が、勝手に漏れてしまった。
自分でもびっくりして、慌てて口を手で覆う。
「はは。えっちだね、なずな」
その言葉に、顔が一気に熱くなる。
咄嗟に手で顔を隠した。
見られたくない…こんな自分。
でも、千景くんはそんな私を見逃さない。
耳にふれる指先が、優しくて、くすぐったくて――気持ちいい。
目を合わせると、千景くんはまたあの意地悪な顔で笑う。
「ん?」
……もっと触れてほしい。
そんなこと、考えちゃう自分が恥ずかしくて、ぎゅっと目を瞑った。