からかわないでよ、千景くん。



「だめだよ、そんな顔で目瞑っちゃ」



その言葉と同時に、唇がふれた。

やさしいのに、逃げ場のないキス。

息をする暇もなくて――



「ま…って…!」



胸をドンドン叩くけど、千景くんは私の頭をそっと押さえて、止まってくれない。
キスは続いて、心臓がうるさいくらいに鳴ってる。



「俺のこと、好き?」



その問いに、答えようとしても、唇がふさがれて言葉にならない。



「ねぇ、なずな。ちゃんと答えて」



答える暇なんて、くれないくせに。

ずるいよ、千景くん。


気づいたら、背中にふわりとカーテンの感触。そのまま、カーテンの向こうに隠される。


まるで、ふたりだけの世界に閉じ込められたみたいで―― 心も、体も、千景くんで包まれていく。


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