からかわないでよ、千景くん。



欲望なんて、押しつけたくないのに。
でも、なずなが逃げないから、余計に止まれない。



「んっ…、んぅっ……」



甘い声が耳に届くたび、頭がどうにかなりそうだった。


逃げないように、そっと頭に手を添える。


この距離も、この空気も、全部―― なずなとだから、壊したくない。

でも、もっと深く、触れていたい。



なずなの身体が、ふらりと膝から崩れそうになった瞬間、俺は反射的に腕を伸ばして支えていた。

さっきまでの熱が、まだ肌に残ってる。
なずなの肩が小刻みに揺れていて、俺も息を整えるのに必死だった。


――ちょっと、やりすぎたかもしれない。


そう思うのに、心の奥ではまだ、なずなに触れたくて仕方がなかった。
顎に手を伸ばしかけて、ギリギリで止める。
もう一度、唇を奪いたい。その衝動が、胸の奥で暴れてる。


でも――これ以上、なずなに無理させちゃいけない。


乱れた呼吸が、俺の胸に痛いほど響く。
そっと、なずなの頭を自分の肩に乗せると、何も言わずに身を預けてきた。


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