からかわないでよ、千景くん。
すき、千景くん。



千景くんと、気持ちが通じ合った昨日。
あの瞬間のことを思い出すだけで、胸が熱くなる。


正直、興奮しすぎて…夜、全然眠れなかった。
布団にくるまっても、目を閉じても、千景くんの顔が浮かんできて。
あの声、あの手のぬくもり。
何度も何度も、思い出しては、頬が熱くなった。


でも——今になって、ふと不安がよぎる。
私、ちゃんと聞けてなかったかも。
千景くんが、どうしてあんなに不機嫌だったのか。なんで、あんなに意地悪してきたのか。


あの笑顔の裏に、何が隠れてたんだろう。
昨日の優しさが、まるで夢みたいで。
本当は、まだ私…千景くんのこと、何も知らないのかもしれない。


それに、志緒ちゃんが言ってたように、千景くんは1年生のときから私のことが好きだったのかも気になる。


知りたい。 もっと、千景くんのこと。
昨日のキスだけじゃ、足りない。心の奥まで、ちゃんと繋がりたい。


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