からかわないでよ、千景くん。
「なずな?」
千景くんの声が、耳に届いた瞬間—— 心臓が跳ねた。
どうしよう、ほんとにかっこいい。顔も、声も、全部が。
目を合わせるなんて、無理。
だって、見たら絶対…昨日のこと、思い出しちゃう。
教室までの道のり。
千景くんと並んで歩く。それだけなのに、足がふわふわしてるみたいで、地面が遠い。
「なずな、距離遠いね?」
…だ、だって。
これ以上近づいたら、心臓が爆発しちゃう。
昨日のキスも、言葉も、全部が頭の中でぐるぐるしてる。
「なに?昨日のこと思い出してる?」
「…うっ」
千景くんが、意地悪そうに笑う。
その顔が、またズルいくらいにかっこよくて。
…もう、どうしたらいいの。好きすぎて、苦しいくらい。