からかわないでよ、千景くん。



だめ、ほんとに。
昨日のこと、思い出すだけで顔が熱くなる。

千景くんに——たくさんキスされた。
優しくて、でも少し強引で。唇が触れるたび、心臓が跳ねて、息が止まりそうだった。

今朝も、千景くんと一緒に歩いてるだけなのに、ドキドキが止まらない。
ずっと心臓が鳴りっぱなしで、これをどうやって落ち着ければいいのか、私にはわからない。



「ち、千景くん…どうしようっ」


「ん?」


「千景くんといるの、緊張するっ…」



言った瞬間、顔がさらに熱くなる。耳まで赤くなってる気がする。恥ずかしい。でも、言わずにはいられなかった。

千景くんは、少しだけ足を止めて、私の顔を見て—— 口元をゆるめた。



「…やばい、それ。廊下じゃなかったら、襲ってるところだった」


「おそっ…!?」



思わず声が裏返る。千景くんは、そんな私を見て、ニヤリと笑った。



「また、今度ね」


「またっ…!?」



ひっくり返りそうになった私を置いて、千景くんはスタスタと先を歩いていく。

…待って、心の準備ができてない。
こんな調子で、学校生活送れるの…!?


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