からかわないでよ、千景くん。
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「…ってことがあって…聞いてる?志緒ちゃん」
「聞いてる、聞いてる!」
昼休み。
教室の隅っこで、昨日のことを志緒ちゃんに報告中。
机をくっつけて、こっそり話してるのに、心臓の音がうるさくてバレそう。
「最初聞いたときびっくりしたよ。あんだけ2人で泣いて困ってたのに、ちゃっかり両想いだし。安心した」
ニカッと笑う志緒ちゃん。その笑顔が、まぶしくて、あったかくて。なんだか、涙が出そうになった。
ほんとに、志緒ちゃんのおかげ。
「志緒ちゃんがいなかったら、あのまま諦めてただろうな…」
「良かったよ、役にたって。私が言った通り、千景はなずなのこと好きだったでしょ」
その言葉を聞いて、昨日の志緒ちゃんの声が頭の中でよみがえる。
『千景って、授業中も休み時間も、いっつもなずなのこと見てるんだよ』
『……甘い顔すんのよ、なずなだけに。好きで仕方ないって顔』
ほんとに、そうだったらいいな。
そう思って、午前中ずっと千景くんのことを見てた。こっそり、そっと。誰にも気づかれないように。