からかわないでよ、千景くん。
「千景くんは、いつから私のこと好きなの?」
千景くんは、頬杖をついたまま、少しだけ目を細めて私を見る。
「なに。質問攻め?」
答えようかどうか、迷ってるみたい。
「覚えてないかな」
ちょっと意地悪な顔。
千景くん。
私、知ってるんだよ。
1年生のときから、ずっと私のこと好きだったって。
志緒ちゃんが教えてくれた。授業中も、休み時間も、ずっとその目で私を見てくれてたって。
「……千景くん」
名前を呼ぶだけで、胸がいっぱいになる。
愛しくて、愛しくて。 どうしようもなくて。
たまらず、私は立ち上がった。
そして—— 少しだけ、触れるだけのキスをした。