からかわないでよ、千景くん。



…どうしよう。

このまま、触れられたら—— 私、きっともう戻れない。



「もう一回」



千景くんが、顔を近づけてくる。
その唇が、すぐそこにあって—— 私は慌てて手で押し返した。



「だっ、だめ!」


「なんで」


「だって、これ以上したら…死んじゃうからっ」



ほんとに、限界。
朝からずっと、千景くんがかっこよすぎて直視できなくて。
目が合うたびに、心臓が跳ねて、息が止まりそうで。

その上、こんなキスされたら——私、もう無理。



「あと一回だけ、しよ」



千景くんが、私の右腕を掴んで、欲しそうな目で見つめてくる。


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