からかわないでよ、千景くん。



「だ、め…。これ以上したら…千景くんのこと好きすぎて、おかしくなっちゃう…」



声が震える。
心も、体も、限界ギリギリ。
千景くんに触れられるたび、気持ちが溢れて止まらなくなる。


もう、次は——止められる自信がない。



「…あー…すごい殺し文句」



千景くんは、ふぅと一息ついて、前髪をクシャッと掻きあげた。
その仕草が、いつもよりずっと乱れていて。

余裕のなさそうな顔。初めて見る、そんな表情。


私が今、千景くんにこんな顔をさせてるんだって思ったら—— 胸がぎゅっとなる。

どうしよう。 嬉しいのに、怖い。
好きすぎて、苦しい。

でも、こんなふうに千景くんの心を揺らせるのは、私だけなんだって思ったら——


あらわになった千景くんのおでこ。
その綺麗な肌に、思わず——ちゅ…とキスを落とした。



「…また…今度しよう、ね」



今日の朝、千景くんに言われた言葉。そのまま返してみた。


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