からかわないでよ、千景くん。
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「そこ、適当に座ってて」
初めての千景くんのお家。
玄関をくぐった瞬間から、心臓がずっとドキドキしてる。
千景くんは「飲み物とってくる」と言って、キッチンへ。
ソファに座って、そっと深呼吸。
当たり前だけど、千景くんの匂いでいっぱい。
この空間にいるだけで、胸がぎゅっとなる。
「はい、飲んで」
千景くんが差し出してくれたのは、ホットココア。
湯気がふわっと立ち上って、手のひらにじんわりと温かさが広がる。
「…あったかい」
思わずこぼれた言葉に、千景くんが隣に座って、同じものを飲みながら言う。
「落ち着いた?」
その声が、優しくて。
さっきまでの怖さが、少しずつ溶けていく。