からかわないでよ、千景くん。
というか、今何時なんだろう。
ふと壁の時計に目をやると、時刻は15時20分。
(もう最後の授業、始まってる…!)
「…行かなきゃ」
さすがに休みすぎたよ〜…。
さっきよりは体もだるくないし、大丈夫なはず。
私はベッドからそろりと立ち上がって、靴を履こうとした。
その瞬間。
「どこ行こうとしてんの」
手を、捕まれた。
びくっとして振り向くと、千景くんが起きていた。
「ち、千景くん…」
千景くんは無言で、私のおでこに手を当ててきた。
ひんやりした指先が、じんわり熱を感じ取っていく。
顔が、近い。近すぎて、息が止まりそう。