からかわないでよ、千景くん。

*

*

*


ホームルームが終わり、帰る準備をする。



「月城さんてさ、」



隣の笹村くんが、 マフラーを巻きながら話しかけてきた。



「うん?」



私もマフラーを巻きながら、返事をする。



「軽いよね」


「…ん?」


「階段で月城さんを引っ張ってびっくりした。軽すぎて」


「えぇ。そんなことないけどな。標準だと思うよ?」



そう言うと、笹村くんは「女子って軽いねー」なんて驚いてる。

笹村くんは、明るくて、気さくで、誰にでも優しくて——
みんなから慕われている、人気者。
なのに、女の子とは付き合ったことがないらしい。
……うわさ、だけど。

「そのままでいてください」なんて、心の中でそっと願ってしまった。


< 228 / 277 >

この作品をシェア

pagetop