からかわないでよ、千景くん。
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「ん…」
あれ……私、寝てた?
眠い目を擦りながら、ぼんやりと部屋を見渡す。
時計は、18時。夕方。外は、薄暗くなってきてる。
あれ、千景くんは……?
ベッドにいるはずの千景くんが、いない。
「……千景くん?」
返事はない。
バッと立ち上がって、 急いで階段を駆け下りる。
どこ行ったの、千景くん……!
熱、まだ下がってないはずなのに。ひとりで動いたら、危ないのに。
「千景くんっ!」
リビングの扉を開けると—— 冷蔵庫の前で、ポカリを飲んでいる千景くんがいた。
「あ、なずな」
「かっ……勝手にいなくならないでよっ……!」
思わず声を上げて、ぎゅっとスカートの裾を握り締める。