からかわないでよ、千景くん。

*

*

*


「ん…」



あれ……私、寝てた?

眠い目を擦りながら、ぼんやりと部屋を見渡す。
時計は、18時。夕方。外は、薄暗くなってきてる。

あれ、千景くんは……?
ベッドにいるはずの千景くんが、いない。



「……千景くん?」



返事はない。

バッと立ち上がって、 急いで階段を駆け下りる。

どこ行ったの、千景くん……!
熱、まだ下がってないはずなのに。ひとりで動いたら、危ないのに。



「千景くんっ!」



リビングの扉を開けると—— 冷蔵庫の前で、ポカリを飲んでいる千景くんがいた。



「あ、なずな」


「かっ……勝手にいなくならないでよっ……!」



思わず声を上げて、ぎゅっとスカートの裾を握り締める。


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