からかわないでよ、千景くん。



体が言うことを聞かない。
ダメだって分かってるのに、止まれない。



「あー、あっつい……」



熱のせいか、息が苦しい。
上の服を脱ぎ捨てると、少しだけ楽になった気がした。



でも—— あつい。


……あつい。

……ほしい。



なずな。



なずなの声が、気配が、頭の奥に響いてる。


なずなだけが、俺をこんなふうにする。
なずなだけが、俺の中をぐちゃぐちゃにする。


もっと近くにいてほしい。
もっと、俺だけを見てほしい。


なずなの感情も、時間も、全部—— 俺で満たしたい。


それくらい、どうしようもなく、好きなんだよ。



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