からかわないでよ、千景くん。
「千景くんにされて嫌なことなんて絶対にないから…… 早く、千景くんとくっついてたいの」
そう言った瞬間、志緒ちゃんが顔を真っ赤にして、周りをキョロキョロ見渡す。
「よかった、周りに男がいなくてっ。 それ、千景の前でしか言ったらだめだからね?」
「言わないよ!こんなことっ!」
もう、志緒ちゃんっ。
いくら私がバカだからって、そこまで無防備じゃないよっ!
「ほら、今から千景のとこ行ってきたら?」
志緒ちゃんが、ニヤニヤしながら肘でつついてくる。
その顔が、なんだか頼もしくて、背中を押してもらった気がした。
「……行ってきます」
笑顔でそう言って、私は、千景くんの元へ向かう。
胸がドキドキしてるけど—— それ以上に、会いたいって気持ちが強い。