からかわないでよ、千景くん。
「……と言いたいところだけど、学校だから。ここ」
「……あ」
千景くんに腕を引っ張られて、ソファから起き上がる。
そうだった。ここ、学校だった。
すっかり忘れてた。千景くんのことしか見えてなかったから。
顔が熱くなって、思わずうつむくと—— ククッと、千景くんの笑い声。
もう、千景くんの意地悪……!
でも、ほんとに—— もっと千景くんが欲しいの。
「千景くん、あの……今日、お家誰もいないからさ……」
袖をキュッと握る。
女の子からこんなこと言うの、変かな……? さすがに、引かれるかな……?
でも、千景くんは—— クスクス笑って、余裕そうな顔で言った。
「その求め方、最高」
余裕そうな千景くんの顔。
ちょっと悔しい。