からかわないでよ、千景くん。



「それより、服。着なくていいの?」


「あっ……」



しまった、すっかり忘れてた。
顔が一気に熱くなる。



「それとも、このまま続きする?」



クスクス笑ってる千景くん。

もう、ほんとに意地悪……!

でも、そんな千景くんが好き。
からかわれても、笑われても、その全部が、私だけに向いてるって思うと——

ね、千景くん。

私、千景くんが言うように、すぐ欲しがるし、全然いうこと聞かないし、わがままで、すぐ泣いちゃうけどさ。

それって、千景くんの前だけだからね。


こんなに、「好き!」って思えるのも、
「愛おしい!」って胸がいっぱいになるのも—— 全部、千景くんだけだからね。


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