からかわないでよ、千景くん。
「ねぇ、なずな。ほんとに、このまま続きしちゃおうか?」
「……し、したい……かも」
顔を真っ赤にしてそう言うと、千景くんはクスッと笑って——
「ははっ。とことん、俺のこといじめてくるね」
もうっ! いつもいじめてくるのは千景くんでしょっ。
そう思いながらも、千景くんのことが好きでたまらない。
その目。
熱くて、まっすぐで、私のことしか見てないみたいなその目が、たまらなく好き。
「じゃあ、もう止まれないから覚悟して。今から、俺のことだけ考えて」
ちゅっ、と唇に軽くキスを落とされながら、再び押し倒されていく。
……千景くん。
千景くん。
いつも、千景くんのこと考えてるよ。
千景くんのことしか、見てないよ。
だからね、千景くんも——
「好き」って言うのも、色気のあるその表情も、 その目も、 意地悪してくるのも……
他の女の子にしたら、許さないからね。
あ、でも——
からかってくるのは、ほどほどにしてね?
fin.