からかわないでよ、千景くん。
教室に着くと、志緒ちゃんが勢いよく抱きついてきた。
「なずな〜!!熱はもう大丈夫!?」
「大丈夫だよ〜!ありがとう〜」
志緒ちゃんの腕の中は、あったかくて、安心する。
私よりも背が高い志緒ちゃんにぎゅーされると、なんだか落ち着く。
「放課後になっても戻ってこないから、保健室まで迎えに行ったときびっくりしたよ」
志緒ちゃんが、何気なく言ったその言葉に、私は首をかしげた。
「びっくり…?」
「だって、同じベッドで千景と寝てんだもん」
さらっと言われたその一言に、頭が真っ白になる。
「なんか2人とも気持ちよさそうに寝てたから、起こせなくてさ〜」
志緒ちゃんは笑いながら言うけど、私はもう顔が真っ赤。
(うそ…ほんとに一緒に寝てたの…?)