からかわないでよ、千景くん。
「私、謝ってくる…」
もう一回、ちゃんと謝って仲直りしたい。
だって、そうしないと——
「なんでそんなに千景のこと気にするの?」
志緒ちゃんが、お弁当箱を開きながら言った。
私は、少しだけ考えて、ぽつりと答えた。
「分かんないけど…千景くんと話せないと、寂しい…」
隣の席だから? いつも話しかけてくれるから?
理由は、はっきりしない。
でも、なんでか寂しいの。
千景くんの声が聞こえないだけで、胸がざわざわする。
目が合わないだけで、心が落ち着かない。
「行ってくるね…!」
志緒ちゃんにそう言って、私は教室を飛び出した。