からかわないでよ、千景くん。



そっと扉を開けて、中に入る。

静かな保健室。
誰もいない空間に、私の足音だけが響く。

絆創膏を探して、棚を開ける。
見つけた瞬間、少しだけホッとした。


(よかった…)


椅子に座って、体操服を膝までまくり上げる。

思ってた以上に血が出ていて、体操服の裏にまで付いていた。

膝を折り曲げたり、伸ばしたりするとズキズキと痛む。



「……痛いよ〜」



誰もいない保健室で、ぽつりとこぼれた声。

絆創膏を開けながら、膝の血を見て、またズキッと痛みが走る。


(ほんとに最悪だ〜…)


そのとき—— ガラッと扉が開いた。


< 58 / 277 >

この作品をシェア

pagetop