からかわないでよ、千景くん。



「なずな、怪我したの?」



その声に、びくっとする。

千景くんだった。

綺麗な体操服を着て、何事もなかったみたいな顔で立ってる。


(え…なんで今…!?)



「…千景くんは今までどこにいたの」



じとっと千景くんを見る。


千景くんは、体操服には着替えているみたいだった。

でも、授業が始まってから、ずっと姿を見なかった。



「千景いないんだけど!?俺どうすればいいの!?」



千景くんと二人三脚をする予定だった男子が、困った顔で叫んでいたのを思い出す。



「何してたの?」



思わず口にしてしまったその言葉に、胸がズキッとする。


(うざいかな…こんなこと聞くの)


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