なりそこないのシンデレラ ~エリート官僚と偽りの婚約!?~
13時からお昼休憩に入った。学内のカフェテリアで、ハムレタスサンドとホットティー。ラップで包んだおにぎりを持参していたのが、まるでずっと昔のことみたい。
食事を終えたあとにスマホを扱っていると、メールで、奨学金の返還完了通知が届いていることに気づいた。およそ1ヶ月後に、書面でも通知が届くらしい。
大学4年間で借りた616万円と、毎月積み重なる利息。終わりのないトンネルみたいだった。そうしたら真っ暗闇のトンネルを、結城さんが呆気なく壊してくれた。
エリート官僚。優秀なひと。違う世界で生きるひと。それとも――私が年齢の割に不甲斐ないだけ?
後者の可能性は存分にあって、だから、ひとくち含んだホットティーの渋みが余計に渋く感じた。
新卒のとき、正規職員として就職できなかったまま、私は今も非常勤の司書をしている。
もしかしたら、早いうちに司書という仕事を諦めれば、どこかで正社員になれたのかもしれない。
だけど、自分の能力に見合わない意思を貫いて、司書という仕事に――本に携わる仕事にこだわった。
その結果、困窮した27歳の出来上がり。こんなやるせない物語、きっと誰も読みたがらない。
だから、――勘違いしちゃいけない、と私は私に言い聞かせる。
結城さんにどんな眼差しで見つめられたって、どんな言葉をかけられたって、私は物語のヒロインじゃない。
私に与えられた配役は、せいぜい、なりそこないのシンデレラ。
王子様みたいなひとに出会っても、その先に幸せな結末なんて待っていない。閉じられたままの本の中で、誰にも知られないまま結末を迎える――何者にもなれない私の物語。
食事を終えたあとにスマホを扱っていると、メールで、奨学金の返還完了通知が届いていることに気づいた。およそ1ヶ月後に、書面でも通知が届くらしい。
大学4年間で借りた616万円と、毎月積み重なる利息。終わりのないトンネルみたいだった。そうしたら真っ暗闇のトンネルを、結城さんが呆気なく壊してくれた。
エリート官僚。優秀なひと。違う世界で生きるひと。それとも――私が年齢の割に不甲斐ないだけ?
後者の可能性は存分にあって、だから、ひとくち含んだホットティーの渋みが余計に渋く感じた。
新卒のとき、正規職員として就職できなかったまま、私は今も非常勤の司書をしている。
もしかしたら、早いうちに司書という仕事を諦めれば、どこかで正社員になれたのかもしれない。
だけど、自分の能力に見合わない意思を貫いて、司書という仕事に――本に携わる仕事にこだわった。
その結果、困窮した27歳の出来上がり。こんなやるせない物語、きっと誰も読みたがらない。
だから、――勘違いしちゃいけない、と私は私に言い聞かせる。
結城さんにどんな眼差しで見つめられたって、どんな言葉をかけられたって、私は物語のヒロインじゃない。
私に与えられた配役は、せいぜい、なりそこないのシンデレラ。
王子様みたいなひとに出会っても、その先に幸せな結末なんて待っていない。閉じられたままの本の中で、誰にも知られないまま結末を迎える――何者にもなれない私の物語。