私なんかが神様のお嫁さんになりました

何が起こったのだろう。
尊き者?子孫…私が…。

杏は白様のお母様の方を向いた。

「…どういうことなのでしょうか。この歌は…。」

お母様は微笑んで頷いた。

「杏にはまだ伝えていなかったわね。いつか時が来たら伝えるつもりだったの…でも、こんなに早く伝える事になるとはね。」

しかし、皆の様子を見て豊穣姫の母親は前に出て来た。

「何を言い出すのかと思えば、尊き者の子孫ですって…その歌だって誰かから聞いただけじゃないの。私は信じないわよ。」

その時だった、会場の隅から初老の女性がこちらに向かってゆっくりと歩いて来たのだった。
その女性が皆の近くまで歩いて来ると、数名の女性達が初老の女性へ向かって声をあげた。

「あ…あなた様は…龍神の大奥様でいらっしゃいますよね…なぜ…ここへ…お身体は大丈夫なのですか…」

女性たちの声に初老の女性微笑んだ。

「…驚くのも無理はないわね…少し前まで私は寝たきりの身でしたわね。…奇跡がおこりました。ここに居る杏という女の子が毎日神社でこの歌を捧げてくれていたの。すると重い体が徐々に軽くなりだして、今ではこうして立ち上がり歩けるように回復したのです。」

どうやらこの女性は白様のお婆様だったようだ。
話を聞いた女性たちは皆歓喜の拍手を送った。
中には涙を浮かべる者もいた。

豊穣姫とその母親はその様子を見て、怒りから顔を真っ赤にして唇を噛んでいた。

「…今に…その化けの皮を剥いでやるから…覚えていなさい。」


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