推理×LOVE=?
放課後、友達のさくらとカフェで近況報告をしていると、さくらが「ねえ、花蓮。私、この前買った新しいリップ、どこかに置いたはずなんだけど、見当たらないんだよね...」と困った顔で呟いた。
「え、どこで?」
「確か、教室で友達とおしゃべりしてた時...」
さくらが必死にカバンの中を探る様子を見ながら、私も一緒に探したけれど、見つからなかった。
彼女の顔から笑顔が消えるのを見て、胸が痛んだ。
そんな折、クラスに神崎碧という転校生がやってきた。
茶髪をかき上げたオールバックの髪型に、シャープな顔立ち。
誰に対しても物怖じしない様子で、クラスメイトともすぐに打ち解けていく。
初対面の私に、碧は「白川花蓮、だっけ?俺、神崎碧。よろしく」と、どこか挑発的な笑顔で話しかけてきた。
その距離感に戸惑いながらも、彼のまっすぐな視線に少しドキドキした。
碧は私に興味津々なようで、休み時間になると私の席にやってきては、あれこれ話しかけてきた。
「花蓮は、休み時間はいつも何してるの?」
「え、あ、私は...友達とおしゃべりしたり、インスタ見たり...」
「へえ、インスタか。俺もやってるけど、花蓮の投稿、見たことないな」
「えっ、私のインスタ、知ってるの?」
「さっき、さくらに聞いたんだ。君、料理とか上手いんだろ?」
「まあ、得意な方かな...」
「今度、作ってくれる?」
「ええっ?!」
「冗談だよ、冗談。でも、いつか食べてみたいな」
碧の軽やかな言葉に、私は狼狽えてしまう。
暁先生への恋心でいっぱいだったはずなのに、碧の存在が私の心を少しずつ揺らし始めていた。
そんな時、またしてもクラスで事件が起こった。
今度は、もう一人の友達、美咲の財布がなくなっていたのだ。
「嘘でしょ!今日の朝、確かにあったのに!」
美咲は泣きそうな顔で訴える。
クラスメイトの間にも動揺が広がり始めた。
「一体、誰がこんなことを...。」