クズなキミからの不適切な溺愛


(はぁ。今日も飲んだな)

俺はアルコールの回った体を引き摺って、光莉さんの待つ自宅アパートへと向かっていた。

俺が光莉さんと交際および同居を始めて一週間が経過したのだが、俺は本部長に就任してから引き継ぎや得意先へのあいさつ回り、更には社内の売り上げ管理等々、目が回るような日々を送っていた。

そして今日は取引先の会社の重役たちとの懇親会だった。

(マジで安堂副社長は酒強すぎだな)

(酔っぱらうことなんてあんのかよ)

しかしながら今日は随分と打ち解けた安堂副社長から耳より情報を得た。

たまたま話の流れで副社長の奥様の話になったのだが、その際に結婚に至るあれこれについて聞くことができたのだ。

(なるほどな。強引さは大事か)


安堂副社長曰く、当然だが自分が好きな女を狙ってる男は五百人はいると思えと話していた。

(五百人……)

(ってことは、光莉さんを狙ってる奴は倍の千人だと思って間違いないな)

(くそっ、どこのどいつだよ……)

俺は想像しただけで、その誰かわからない千人に殺意すら覚えそうになる。

(俺の光莉さんに手出したらどっかの湾にしずめてやる……っ)

そう意気込んでから、夜空の星を見ながらふいに結婚の二文字が浮かんでくる。

「しっかし……結婚までって皆、どうやって至るんだ?」

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