クズなキミからの不適切な溺愛
「……っ」

彼女が顔を真っ赤にしながら控えめに口を開く。

「あの……優しく、してね」

(!!)

「はぁああああああああ」

カッコつけていた俺は彼女のそのたった一言でベッドの上で腰砕けになりそうになる。

「恩志くん?」

「やっぱダメっすね、このままじゃ食いつくしちゃうんで今晩は敬語にします」

「ん?」

光莉さんはやはり男の事情には疎いようでキョトンとしている。

「まぁ、夜は長いんでじっくり俺に食べられてください」

まだ俺には恋愛も結婚もよくわからない。

ただわかっているのは、こんなに誰かを好きで愛おしいと思うのは光莉さんだけだと言うこと。


この想いを日々少しずつ彼女に伝えることが、結果的に本能で愛し尽くすことになっているのかな、なんて思ったりする。


「光莉さん、好きです……」

「恩志くん、くすぐったい」

俺の甘噛みという名の触れるだけのキスに彼女が幸せそうに笑う。

まだまだ俺は可愛いトイプーから卒業できそうもないが、今夜はそれでいい。

俺は光莉さんと何度もキスを交わすと、彼女を優しく食べてから眠りについた。


2025.9.30 遊野煌  

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